農業体験

子育てのために始めた農業体験

 「都会で生活する自分の子どもに泥遊びをさせたい。」という、至って軽い気持ちくで秋田の農家の方に頼んで初めた田植え体験でした。農家の方には最初「馬鹿やろう!農業をなめるなよ!」と言われたんですが、何度も頼んで実現したのが今から約35年前です。

 学生時代まで野球をやっていた自分は体力には自信があったのですが、いざやってみると、うまくできません。むしろ体が大きい分、田んぼに埋まってしまうし、中腰で田植えするのは本当に腰が痛くなるし、全くうまくいかないことばかりで、こんなに大変なことなのかと驚かされました。

 一方、子供はというと、とにかく楽しそうに泥を体中に塗りたくって、泥んこになって苗を植えたり、走り回ったりして大はしゃぎしていました。その姿を見て、これをやりたかったんだとやらしてもらって本当に良かったと農家の方には本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。それ以来毎年約35年間子どもたちの家族だけでなく、企業様からの福利厚生の一環で農業体験などを企画し実施しております。

農業体験のメリット① ~食の大切さを知る~

 例えば田植えでは、一か所に2~3本くらいの苗を植えていきます。それが育って収穫するときにはおおよそお茶碗一杯分のお米になります。でも田植えをすれば育つのではなく、春に植えた田んぼも夏には雑草を取りをし、秋に収穫、そのあと天日干しにして精米して、ようやく米になります。普段当たり前のようにして食べているお米がどうやってできるのかを目の当たりにすると、当然その大切さに気付かされます。そんな自分で育てた大切なお米ですから、味はもちろんありがたみを感じることになるのです。

 実際、多くの農業体験に参加したご家族からは「子どもがお米はもちろん、おかずも残さなくなった」という喜びの声が寄せられることが最も多いといえます。

イメージは写真ACから

農業体験のメリット② ~いろんな人と協働する大切さを知る~

 普段の生活では、大人は大人のコミュニティー(会社等)で、子供は子ども同士のコミュニティー(学校等)で生活している時間が長いものです。特に子供たちにとって普段の生活の中でかかわる大人は主に学校の先生や塾の先生、習い事の先生等、先生と呼ばれる人であることが多いのです。でも、農業体験では、農家の人や同じく農業体験に訪れた大人など普段出会うことがない大人や子供たちと出会うことができます。また、同じ目的・目標をするわけですから、役割分担しながら働くわけです。例えば田植えをする場合、全員で田んぼに入って作業するだけではないのです。田んぼの外から苗を投げ入れる役割をする人もいれば、まっすぐ苗を植えられているか見てくれる人もいるわけです。疲れた子供たちは田んぼの外で走り回っているので、それを見守るおじいさん、おばあさんたち。共に働くことで知らず知らずのうちに人と協力して働く喜びや大切さを知ることになります。

農業体験のメリット③ ~学術的にも証明されている効果、心が落ち着く・ストレス解消~

 都会暮らしの現代人は、ストレスを抱えている人がほとんどといっても過言ではないでしょう。実際に毎年農業体験に参加される方は「ストレス解消のため」という声が少なくありません。最近ではアグリヒーリングという言葉もできており、癒しのために『農業体験』に参加される方が増えていると感じます。実際に私自身農作業をするとストレス解消するのはもちろん、それに加えて達成感と幸福感を感じます。農業体験を通じて普段の生活で抱えたストレス解消と成し遂げる達成感を感じてもらいたいと考えています。

 実際に学術誌「Psychopharmacology」で発表された論文によると、土壌に生息する腐生性細菌マイコバクテリウム・ヴァッカエ(Mycobacterium vaccae)には、抗炎症、免疫調節、およびストレス耐性の性質があることがわかった。そしてこれらの保護効果は、この細菌が持つ特殊な「脂質」が要因のひとつであることが今回の研究で明らかになったそうである。(引用元:https://wired.jp/2019/06/10/healthy-stress-busting-fat-found-hidden-dirt/)

イメージ 写真ACより

まとめ

 農業体験にはこの他にも、「能動的に行動できるようになる」や「他者への感謝の気持ちが強くなる」等、様々な効果が報告されています。もちろん、その効果は人により異なりますし、思ったような効果がなかったということもあるかもしれません。ただ、私の経験で一つ言えることは、子供に関して言うと田んぼに入って泥んこになること自体を嫌うお子さんはほとんどいません。また、大人の方も外で泥まみれになってでも作業をやり切ったときの達成感・爽快感は誰もが笑顔になるものだといえます。私自身35年以上この農業体験を農家の皆さんにご協力をいただきながら続けていますが、私自身は農業体験でいつも思うことは、人間の本質・日本人の本質がここにあるといつも感じます。青空市場Kioiでは、これまで体系化せず行ってきた農業体験をもう少し体系化し広く皆さんに体験できる準備を進めておりますので、ぜひ一緒に泥まみれになって、生きる喜びを感じましょう。

永島敏行

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